育休前にやっておいてよかったこと・やっておけばよかったこと|1年育休のリアルな準備記録

育休取得前にやっておくべきこと 育休を決めるまで

「育休って、いつから何を準備すればいいの?」

男性が長期育休を取得することが、まだ当たり前ではない職場もある中、私も不安を感じながら準備を進めました。この記事では、1年間の育休を実際に取得した私が、事前にやっておいてよかったこと、やっておくべきだったと反省していることを紹介します。

パパママ教室に夫婦で参加|育児を“知識”から“実感”へ

出産予定の病院が主催していた「パパママ教室」に夫婦で参加しました。内容は、おむつの替え方や沐浴の実演、簡単な育児に関するグループワークなど。

初めて触れる育児の知識に戸惑いながらも、少しずつ実感が湧いてきました。

また、このイベントに夫婦で参加したことで、偶然ではありますが、他の夫婦と連絡先を交換し、出産後に定期的に一緒にお出かけする関係が築けました。

実際に出産後、自治体の子育て支援イベントなどにも参加しましたが、ママ同士が自然にママ友をつくっていく一方で、パパ同士がパパ友になるのは非常に難しいと感じました。そもそも、パパの参加率自体が極めて低いのです。

だからこそ、夫婦で参加するイベントの場で“夫婦ごと”連絡先を交換できたことは、結果的にパパ同士のつながりにもつながる貴重な機会だったと感じています。これは、実際に経験してみないと気づけなかった視点でした。

人事部門への早期相談の重要性|制度理解と心理的安心のために

育休取得を決意した際、私はまず職場の課長に報告しました。しかし、今振り返ると、人事部門への相談を真っ先に行うべきだったと強く感じています。

育休制度は、国の法制度と会社独自の社内制度が絡み合っています。そのため、制度の全体像を正確に把握するには、人事部門から直接情報を得るのが最も確実です。

当時の私は、国の育休制度や自社の制度についてあまり知識がない状態で課長に話を切り出しました。制度の理解が浅いまま育休取得の意思を伝えることは、必要以上に心理的なストレスを抱えることになりました。

事前に制度をしっかり理解していて、人事担当者が味方になってくれているという安心感があれば、課長からハラスメントまがいの発言があった時にも動揺せずに平静を保てたのではないかと思います。

人事担当者との丁寧なやり取りで制度理解を深める|資料整理と記録の重要性

人事担当者には、対面で親身に相談に乗ってもらったほか、メールでも資料を送ってもらいました。ところがその資料は以下のように多岐にわたっていました。

  • 厚生労働省が作成した制度全体の概要資料
  • 社内向けにまとめた育休制度の案内資料
  • 社内向けにまとめた出生届・健康保険・児童手当などの行政手続きを記載したチェックリスト
  • 社内向けにまとめた勤怠代理入力依頼・定期券解約などの社内手続きを記載したチェックリスト

これらの資料は、作成時期や想定読者、用途が異なっていた、同じ情報が重複していたり、逆に重要な情報が抜けていたりと、情報が点在していました。一元的に情報が整理された資料が社内になかったため、内容を理解するのに時間がかかりました。しかし、人事担当者は私の疑問に対して丁寧に対応してくれ、追加の質問にも迅速に答えてくれました。その親身なサポートのおかげで、時間をかけてようやく全体像を把握することができました。当時、制度を推進すべき立場の人事担当者は育休取得者の味方になってくれるんだと心理的な安心感を覚えました。

また、育休中や復帰後に備えて、人事担当とのメールのやりとりもすべて印刷し、自宅に保管しました。書類提出のタイミングや必要書類の詳細を後から確認できるようにしておくことで、育休中も冷静に対応できました。

育休制度を徹底的に調べ、制度を「味方」にした

「知らないと損することが多い」——これが育休制度の正直な印象です。

以下のような点を事前に確認・整理しました:

  • 育休開始のタイミング:月末から取得すると、その月の社会保険料が免除される(※厚生年金・健康保険)。
  • 有給休暇との組み合わせ:残日数や会社独自の積立制度の有無。
  • 慶弔休暇の利用:配偶者の出産にともなう特別休暇制度の確認。

これらを踏まえて、Googleカレンダーで休暇スケジュールを可視化。職場の事務担当者にもそのまま共有し、勤怠処理のミスを防止できました。

自席とデスクまわりの整理|不満の芽を事前に潰す配慮

職場の自席は、育休中に組織変更や席替えがあるかもしれないと想定し、個人ロッカーや本棚の中身をすべて空にしました。

育休中、自分の不在により他の人が代わりに対応せざるを得ない場面が発生することは避けられません。だからこそ、対応者の手間やストレスを最小限にする。それが結果として、周囲に不満が生まれる機会を減らすことにつながると考えています。

引き継ぎ資料は「線表×エクセル」でダブル可視化

育休中の業務負荷を最小限にするために、3年先までの担当業務の線表を作成しました。

さらに、業務ごとのステータス、必要な書類の保管先、次にやるべきことをエクセルに整理。社内サーバーの該当フォルダのリンクも貼り付けておくことで、誰が見ても迷わず作業できる体制を整えました。

まとめ|準備は「自分のため」であり「周囲のため」でもある

男性の長期育休取得は、まだまだ「特別」なものとして扱われがちです。だからこそ、制度や職場への配慮、家庭内の協力を含めた“準備”がカギになります。

私は、今回紹介したような準備をしておいたおかげで、スムーズに育休をスタートすることができましたし、周囲の負担感や不満の種をできるだけ減らせたという意味でも、準備してよかったと感じています。

これから育休を検討している方の参考になれば幸いです。

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