育休を1年取った後、「もう少し子どもと過ごしたい」「でも手続きや制度が複雑で不安…」と感じる方は多いのではないでしょうか。
今回は、実際に妻が育休を延長するために経験した保育園申請の流れや落選の狙い方、必要書類で戸惑ったことなど、育休延長の“リアル”をお伝えします。
育休延長のカギは「保育園の入園申請」
育休延長をするためには、「保育園に入れなかった」という事実が必要です。その証明となるのが、市区町村が発行する「保育所等の利用調整結果(不承諾通知)」。
ただし、これを受け取るには単に申し込めばいいわけではありません。戦略的に「落選」を狙う必要があります。
妻の育休スケジュールと申請時期
我が家では、子どもが4月生まれで、妻は育休を丸1年取得。その後、延長を希望していました。
ここでポイントなのが、4月生まれの場合、保育園への入園申請のタイミングが非常にシビアだということ。
なぜなら…4月は年度初めであるため、
- 受入れ可能な定員の枠が全て空いている=入園しやすい。
- 逆に言えば「落選しにくい」=育休延長しにくい。
そのため、確実に「定員の枠が埋まっている保育園」に申し込み、落選を狙うためには戦略が必要でした。
【4月入園】2次募集で“わざと落選”を狙う
我が家では、1次募集(12月頃締切)はスルー。
その理由は、1次募集だと希望通りの保育園に通ってしまう可能性が高く、「育休を延長したい」という本来の希望が叶わないからです。
そこで、2次募集で申し込むことにしました。2次募集時点であれば、1次募集の段階でどの保育園の定員の枠が埋まったかを知ることができます。そして、「すでに定員の枠が埋まってしまった人気の保育園A」のみを第一希望にして申し込みました。
この結果、無事に落選通知(不承諾通知)を受け取ることができました。
この不承諾通知と申請書の写しを会社に提出し、育休延長の手続きは完了した…はずでした。
【落とし穴】「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」が必要だった!
後から知ったのですが、2025年4月以降は育児休業給付金の延長に「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」が必要になっていました。
これは、会社を通じてハローワークに提出するもので、保育園に入れなかったことを再度証明するための書類です。
しかし、私たちはこの書類の提出を忘れていました。
会社から「この書類が届いていませんよ」と連絡があり、大慌て。
でも会社の担当者によれば、「4月・5月分はまとめて6月に提出するので、今からでも提出してくれれば大丈夫」とのこと。ほっと一安心でしたが、制度が変わるタイミングには注意が必要だと痛感しました。
【5月】保育園から突然の連絡「6月に空きが出そうです」
安心していたのも束の間。5月7日、役所から一本の電話が…。
「4月に落選したA保育園で6月に定員の枠に空きが出そうです。このままだと自動的に入園になりますよ」と、親切にも担当者が妻に連絡を入れてくれました。
つまり、育休を続けたければ、別の“すでに定員の枠が埋まっている保育園”に申請先を変更しなければならないということ。
毎月5日に翌月の空き情報が公開されるので、仮に自分が申請していた保育園の定員の枠に空きが出てしまった場合、15日までに申請内容を変更しないと、自動的に入園→職場復帰が決まってしまうのです。
我が家では慌てて、B保育園(すでに満員)に申請先を変更。なんとか「6月も不承諾」=育休継続の形を整えました。
【混乱】申請書に書くべき保育園はどっち?
その後、提出し忘れていた育児休業給付金の延長申請書(育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書)を会社に提出する段階で、またしても悩みが。
- 書類に記入すべき「申請先保育園」は2次募集時に選んだ保育園Aか?5月に変更手続きした保育園Bか?
- 役所経由で届く不承諾通知は、保育園Aから届いたものを添付すべきか?保育園Bから届くものを添付すべきか?
会社に問い合わせても「ハローワークに聞いてください」と言われましたが、ハローワークには戦略的に育休延長を考えている旨は話せません。役所に問い合わせても「Aを書いた方がいいと思います」という曖昧な回答でした。
最終的には、3者(会社・役所・ハローワーク)に確認し、
- A保育園を記載
- A保育園の不承諾通知を添付
という形で提出すればよいという結論に至りました。
育休延長は制度だけでなく「戦略」と「情報」がカギ
今回の経験で痛感したのは、育休延長には以下のような「知っておくべきポイント」があるということです。
- 保育園申請は“落選”のために行う場合もある
- 毎月の保育園の空き状況に応じて、申請先を変更する必要がある
- 不承諾通知だけでなく、申告書の記入内容にも注意が必要である
- 役所・会社・ハローワークで言うことが微妙に違うことがある
最後に:同じ立場の人へのメッセージ
育休を延長したいけど、「どのタイミングで何をすればいいのかわからない」「申請をミスしたらどうしよう」と不安を抱えている方は多いはずです。
私たちも何度も戸惑いましたが、必要な情報を整理しながら対応することで、無事に育休を延長できました。
この記事が、これから育休延長を検討される方にとって、少しでも参考になれば幸いです。