大手総合化学メーカーのプロセスエンジニア(技術職)の設備改造業務とは?(その1)

プラント外観画像2 プロセスエンジニア

大手総合化学メーカーでプロセスエンジニア(技術職)として、7年間石油化学製品プラントに携わりました。私が勤務した1社での体験(知識)ではありますが、就職活動・転職活動の一助になれば幸いです。

プロセスエンジニアが設備改造を担当する!

設備改造を担当するプロセスエンジニア(技術職)として製造課に配属された場合、既存のプラント(設備)に対して改造を加えることが主な仕事になります。「主な」と記載した理由は、これ以外に、例えば海外プロジェクトにアサインされた場合、海外に新設するプラントのプロセス設計を担当する可能性があるからです。なお、国内工場の敷地には既存のプラントがあるため、合理的・経済的なメリット等が見い出せない限り、これを取り壊して新設プラントを建設するプロジェクトが立ち上がることはないと思います。つまり、国内でプラントを更地から建設するプロジェクトを担当する機会は非常に少ないのではと思います。

国内の既存プラントに改造を加える目的は、既存プラントの生産性向上や消費電力削減といった合理化対策、排気ガス削減といった環境対策、階段や安全柵の設置といった安全対策が挙げられます。

それでは、設備改造に関わる業務の一連の流れを説明します。

1-1 実施したい設備改造案件の選定

設備改造は4半期ごとに各製造課が経理部門から予算を獲得した上で実施します。そこで、このタイミングに合わせ、各製造課は予算獲得を目指す改造案件の選定をすることになります。

ひりえそ

そこで、まずは技術班が改造を実施したい改造案件をリストからピックアップします。なお、このリストはエクセル等で技術班が管理しています。リストの中身はプラント操業時からの改造未実施案件の一覧で、改造したい案件が発生すればリストに追加し、改造不要あるいは改造完了となった案件はリストから削除しています。
因みに、私が担当していたプラントは操業40年を超えていたので、当該リストには約100個の改造案件が載っていました。

次に、技術班がピックアップした改造案件を課内で提案し、緊急度、優先度、マンパワー及び予算規模等を勘案して最終的に課内合意を取り、予算獲得を目指す改造案件を課として決定します。なお、この過程で技術班が提案した改造案から多少の入れ替わりが発生することはあります。

予算獲得を目指す改造案件決定後、技術班のリーダーが担当者を割り当てます。この割り当てが4半期ごとに訪れるため、結果的に各担当者は複数の改造案件を担当することになります。

タイトルとURLをコピーしました